岩木先生とは / Dr.Masaya IWAKI

「研究で困ったこと、引き受けます」
先端技術開発支援センター


「支援」と「研究」の両輪で動いている「先端技術開発支援センター」。理研の研究室群が展開する研究をサポートしている部隊だ。高度な知識とノウハウを駆使して、基礎データを収集したり解析したり、理研オリジナルのものつくり装置や解析装置を開発したり。

理研の広範な守備範囲をカバーし、研究分野を横断して支援するこの部隊があるからこそ、オール理研の研究力を最大限発揮できる。このセンターが担っている役割は、「科学史に輝くオンリーワンの世界を創りだすこと」。

オール理研の研究を支援
「よろず相談所ですよ」。岩木正哉センター長はその性格をひと言で表現する。理研は物理、化学、工学、バイオ、生物など守備範囲は極めて広い。境界領域、学際領域の研究を加えると、実に多岐にわたる。中身を分解すると、萌芽研究から基礎、応用、実用化まであらゆるレベルの研究を含んでいる。見方を変えれば、ボトムアップ、トップダウン、プロジェクト、内・外部公募型といったように多彩だ。これだけ色々あると、研究を推進するためのうまい仕掛けが必要になる。そこで、研究者からの相談を受けて、適切な答えを提供する、理研全体の研究支援の要として機能しているのが同センターだ。

例えば、データ分析などは、本来は研究者が行うほうがいいが、時間がかかる。高度な技術と知識を持つ専門家と共同で実施すると、詳細な解析情報を短時間で入手することが可能だ。このため、センターは理研が取り組んでいる広範な研究をサポートするのに欠かせない最先端装置の開発と、それらを使いこなす人材を揃えることに努めている。大学や研究機関では、分析や解析を専門会社に外注する傾向があるが、理研は創立以来、工作係と研究陣が連携する伝統があり、研究と高度な支援の融合が理研の研究力の高さに結びついている。

オンリーワン作戦に貢献
センターのメンバーは約40 人。「理研の研究分野をカバーするには、多少手薄では…」との問いに、「手薄とも言えるが、彼らを研究用機器開発、物質構造解析、化学分析、バイオ解析など7つのチームに専門ごとに振り分け、最先端の機器開発からデータ解析までラインナップを強化している」と岩木センター長。

彼らの中には、支援だけでなく、研究を志向している人もいる。「スタッフ自らが先端研究を推進しなければ、支援の技術力が上がらない」との考えから、支援と研究の2足のわらじを履いている。ただし、「支援をするという条件のもとでしか、研究は認めていない」(岩木センター長)。主体はあくまで他の研究者に協力する支援にあり、研究費は自ら稼がないといけない。このため、彼らは自らの技術を生かし、科研費や受託研究、産業連携制度などで研究費を確保し、さらに他の研究者が推進する理事長ファンドや融合的連携研究制度などプロジェクト研究に参画して、自らの技術力を磨いている。

「相談を受けて断ったことは1つもない」という岩木センター長。「僕たちのところに持っていくと、どんなに難しいものでも対応してくれると言われるような、そんなオンリーワンを目指せ」とメンバーに注文を出している。特技を持ち、かつ磨くことがオール理研のオンリーワン作戦に貢献するとの読みだ。

半導体デバイスや新材料開発に使われるイオンビームを、医療用材料開発に応用する道をメンバーと一緒に切り拓いてベンチャー企業を興した岩木センター長。「理研での最終章は、研究者で終わりたい」という願いは叶いそうになかったが、新たなプロジェクトを立ち上げた。同センターを構成する7チームの1つ、「支援展開チーム」のチームリーダーを兼務し、毒性物質を高感度でキャッチする「安全安心センサー」の開発に着手した。岩木センター長もまた、「センターのとりまとめと開発研究のリーダー」という2役を演じている。

ありし日の先端技術開発支援センター


センター長
岩木 正哉 (D.Eng.)

理研では工学、物理、化学から生物に渡る極めて広範な分野の研究および学際的研究、境界領域研究が推進されています。したがって、それに関わる先端的研究基盤ツールの開発、多様な物質・材料についての高度な分析・解析が求められています。この要求に応えるため、先端技術開発支援センターではスピーディーな技術サポート、ユニークな先端技術開発、天然および複雑な合成化合物の組成構造解析、また表面・界面の解析などにおいて高度な技術・解析支援を行っています。これらの高度支援を推進するために、共同利用機器の整備を推進すると共に、内外の協力連携に基づく独創的な支援技術・ツールの開発、研究所・センター間の交流、理研内研究者との共同研究、技術開発・継承支援のための技術者育成、公的研究機関や企業との共同研究や受託研究を積極的に推進しています。

支援展開チーム
ラピッド・エンジニアリングチーム
アドバンスト・エンジニアリングチーム
ビームアプリケーションチーム
物質構造解析チーム
化学分析チーム
バイオ解析チーム



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